【Skabma – Snowfall】クリアレビュー!北欧伝承ファンタジーアドベンチャー | ベイクリスタル

【Skabma – Snowfall】クリアレビュー!北欧伝承ファンタジーアドベンチャー

レビュー
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おばんです! ベイクリ(@baycrystal3)と申します。

2022年4月22日、フィンランドのインディースタジオRed Stage Entertainmentの一作目としてPC向けにリリースされたアクションアドベンチャーゲーム『Skabma – Snowfall』(日本語対応)。

本作は、ヨーロッパ最北に実在する先住民族サーミの伝承文化をベースにして描かれる壮大で幻想的な物語です。

突如起こった災難によってバランスが崩壊した自然を取り戻すために、雄大な北欧の大自然の中を冒険する少年アイルの成長と、神秘的な精霊たちが描かれています。

また、サーミの信仰や民話に登場する彼らのシャーマニズム的な生き方もゲームの中で紹介されているため、彼らの伝統や文化を知る事ができるメッセージ性の強い作品です。

この度、独創的な魅力を放つ『Skabma – Snowfall』をプレイしてクリアできたので、レビュー記事としてご紹介させていただきます。

『Skabma – Snowfall』レビュー

どんなゲーム?

公式

『Skabma – Snowfall』は、三人称視点のアクションアドベンチャー作品で、プレイヤーは主人公アイルを操作して、崩壊しかけている大自然の原因を突き止めて解決するために冒険を繰り広げることになります。

ゲーム内では自然破壊や病気がサーミ独特の文化で表現されているため、魂や精霊といった神秘的な存在が数多く登場するファンタジー作品です。さらに、北欧の雄大な大自然の中で暮らす先住民族サーミの生活と文化を知る事ができる作品でもあります。

作中に登場する人物たちが着る衣服や品物のデザインだけでなく、話す言語や歌も全て北部サーミ語という徹底ぶりで、制作者の強いこだわりを感じる意欲作なのが伺える作品です。

オーロラや険しい山々など、北欧ならではの美しくもあり厳しさもある自然が物語の舞台となっているので、美麗なグラフィック技術で描かれた景観が特徴の一つでもあります。

また、本作には地図や方角を示すものがないため、同じような景色が続く森や洞窟の中を進む場合はこれらの背景の山などを目印にして進む必要がありました。ゲームの進行の上でも景観は非常に重要です。

サーミとは?

サーミの写真

先住民族サーミとは、ラップランド(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの4カ国にまたがるスカンジナビア半島最北部の地域)に住んでいるトナカイ遊牧民のことです。

トナカイと共に生きる彼らは、季節ごとに移動しながら、極寒の自然の中で狩猟や遊牧を行なってきました。

近年では、歴史の流れと共に国ごとに分断されて定住化する者も現れて、生活様式は多様化しています。その過程で彼らの慣習や文化は次第に失われていき、消滅の危機に瀕しているようです。

本作の開発を手掛けたRed Stage Entertainmentの社員の半数はサーミ人ということもあり、本作の物語や世界観には苦難の歴史を経験してきた彼らサーミの伝承に深く関係している内容となっています。

ゲーム性について

『Skabma – Snowfall』のアクション性が分かる動画

『Skabma – Snowfall』はアクションゲームではありますが、敵キャラと戦闘するようなゲーム性ではありません。基本的には敵キャラからは逃げるだけで、精霊の力を使って謎解きパズルに利用する場合もあります。

本作の主なゲーム性は、探索謎解きパズルアクションとなっているため、敵キャラを倒したりするような戦闘アクションが一切無いのが特徴の一つです。

しかし、本作は険しい地形等をハイジャンプしたりして移動するため(動画参照)、非常に落下死が多くなるゲーム性となっています。足を踏み外すことは勿論、ギミックの扱いが難しい場所が所々あって苦戦を強いられました。

難関な場所だと謎解きの過程で突破するまでに何度も死んでしまうことも。

クリア時にトータルの死亡回数が表示されるのですが、管理人の場合は164回(死に過ぎ!)の記録です。個人差はでるとは思いますが、戦闘が無くても、なかなかの死にゲーでした。

魔法の太鼓

魔法の太鼓の効果
様々な痕跡を知らせてくれる「魔法の太鼓」

サーミの伝統的な歌唱法「ヨイク」で歌われているテーマソングや挿入歌だけでなく、彼らサーミの音楽を象徴するシャーマンドラムが本作ではキーアイテム「魔法の太鼓」という形で登場します。

これは、運命に導かれてサーミのヒーラー「ノアイディ」の道を歩むことになった主人公アイルが、使役した精霊たちと交信して力を発現させるために叩くドラムです。

また、様々な痕跡を知らせてくれたり、収集アイテムの位置を教えてくれるサーチ能力、さらにはアイルが消耗したHPゲージを回復する効果等、用途は多岐わたっていて本作で最も重要なアイテムになっています。

探索中は太鼓の効果が頼みの綱なので、管理人は常時叩きながら移動をしていました。

使役する精霊たち

名前能力
フクロウ
風の精霊。
空中を一定距離前に移動できる。
タールギミックへの効果は跳躍移動できる強風の発生。
クマ
土の精霊。
強風を耐える。(しゃがみ)
タールギミックへの効果は足場の生成、壁破壊、壁生成。
マス
水の精霊。
バリアの生成。
タールギミックへの効果は水の生成による地形変化(植物の成長等)。
キツネ
火の精霊
二段ジャンプ。
タールギミックへの効果は発火及び引火。
※すべての精霊は敵キャラに対して力を使うと一定時間拘束効果があります。

これらの使役する精霊は、本作の物語が進むに連れて順次登場してアイルが使役することになり、謎解きは終盤になるにつれて次第に複雑になっていきます。

これらの様々な能力は、自然界に起こっている異変の元凶を突き止めるのに必要不可欠なものです。

アイルはまず、大きな謎を解き明かすために彼らを探す冒険に繰り出すことになります。そして、使役できる精霊が増えていくと、精霊の力のおかげで新たに移動可能な場所が増えて行動範囲が広がっていく流れです。

本作の謎解きパズルアクションは、精霊たちの特性をしっかり理解して操作しなければ突破できない場所も多数あるため、頭に叩き込んでおきたい所です。

クリアまでプレイしてみた感想

故郷を守れ!

アイルとトナカイ

本作の物語はざっくり言うと、人だけでなく動物や木々などの自然も崩壊していく原因不明の事態と対峙する主人公アイルが、大切な人や大自然を守るために冒険を繰り広げていく内容です。

地球温暖化や環境汚染の問題は、今では地球を守るための人類の命題となっています。特に、北欧の国々は環境問題への取り組みが活発なのは、自然の環境の変化を肌で感じているサーミのような人たちの考えが浸透している国々が多いからだろうと感じました。

本作ではこれらを重ね合わせて、そのような環境問題についてもサーミ人の伝統や伝承の表現の中で警鐘を鳴らすような内容となっていると管理人は考えます。

トナカイと共に生きるアイルたちの姿を見て、自然と共存しているサーミの生き方や文化に触れていくうちに、まるでスタジオジブリの名作映画『もののけ姫』を鑑賞した後のような気持ちになりました。

良かった点

  • 大自然の美麗な景観や背景に流れるBGMと曲の雰囲気が良い。
  • ストーリーが分かりやすく、親子でアニメ作品のように楽しめる。
  • 魔法や精霊といった幻想的な世界での謎解きや探索が好きな人にはおすすめ。
  • 異文化に触れられるようなメッセージ性の強い映画作品が好きな人におすすめ。

悪かった点

  • マップや方角表示がないため迷いやすい。
  • クイックセーブが危険。死ぬ場所によってはスタックする。(アップデートで一部修正済み)
  • 何度も死ぬことになりそうな難解な謎解きや難所に遭遇した場合、手動セーブ推奨。
  • 謎解きが分からなかったり、死にまくって萎える可能性がある。
  • 謎解きとアクション操作が得意な人にはボリュームが少なく感じる。

他にも破壊した壁の欠片に挟まって動けなくなるバグ等、ユーザビリティにおいて少し問題点があるように感じました。そのため、アイテム収集や未達成のタスクなど本作のやり込み要素はコンプリートできておりません。一作目ということでこれから良い作品を開発してくれることを期待します。

ちなみに、エンディングでは続編を示唆するようなシーンもあって、もし続編があるならば、個人的には本作の物語が次回作で更なる展開を見せるのは楽しみではあります。

『Skabma – Snowfall』に興味を持った人の参考になれば幸いです。

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